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伊藤 大介*; 伊藤 啓*; 齊藤 泰司*; 青柳 光裕; 松場 賢一; 神山 健司
Nuclear Engineering and Design, 334, p.90 - 95, 2018/08
被引用回数:9 パーセンタイル:62.99(Nuclear Science & Technology)多孔質媒体を通過する二相流を理解することは、軽水炉のみならずナトリウム冷却高速炉を対象としたシビアアクシデント解析コードを開発する上でも必要なことである。ナトリウム冷却高速炉の炉心損傷事故時には溶融燃料と冷却材が相互作用した結果として、多孔質状のデブリベッド内で気液二相流が形成されると考えられる。このような多孔質媒体中における二相流場の特性を明らかにするためには、局所的な空隙率とその分布を把握することが重要である。本研究では、X線ラジオグラフィを用いて球体充填層内における局所空隙率を測定するとともに、その径方向分布を評価し、従来の空隙率モデルと比較した。さらに、球体充填層内を通過する空気と水の二相流におけるボイド率の径方向分布を得た。
室井 正行*
JNC TJ8400 2000-042, 142 Pages, 2000/02
セメント系材料から発生する高アルカリ空隙水は、緩衝材の膨張能力の喪失、空隙率の増大及び吸着能力の低下をもたらす可能性がある。ここでは、ベントナイトとセメント空隙水の反応のモデル化研究を行った。ベントナイトとセメント間隙水の反応は、反応-輸送コードPRECIPを用いて計算された。セメント劣化の経時的変化を反映した3種の組成(浸出液1, 2, 3)の空隙水を、一次元で1mのベントナイト(+砂)流路と、25と70Cで反応させた。主要鉱物の溶解・析出については、速度論的反応機構を考慮した。浸出液1は最も反応性の高い液(最大のpH, Na, K)で、浸出液3は最も弱い(最低のpH, Na, Ca)。浸出液1を用いたシミュレーションでは、約1000年後にセメントとの接触部から60cmの初期ベントナイト鉱物が完全に消失した。空隙率の最大の増加は浸出液1の場合で(80-90%まで)1-2cm幅の狭いゾーン全体に観測された。全ての液のシミュレーションでは、セメントとの境界に極近いゾーンで空隙がCSH鉱物によって充填された。ゼオライトやシート状シリケートの析出は境界から離れて生じた。今回の条件では、25, 70での差はほとんどなかった。モンモリロナイトの溶解は速度論的パラメータには敏感でないことを示した。モデル化研究で選択された概念モデルでは、ベントナイトと反応しうるセメント間隙水の総量を無制限と想定したため、保守的(悲観的)評価となっている。また、仮定に以下のような多くの不確かさが存在する。・高pHにおける鉱物の溶解及び成長の動力学的機構、・時間と共に増加する鉱物の表面積、・高pHにおけるCSH鉱物、ゼオライト及び水性種の熱力学的データ、・空隙率の変化と流体の流れ/拡散の間の相互影響
三木 崇史*; 笹本 広; 千葉 保*; 稲垣 学*; 油井 三和
JNC TN8400 2000-007, 32 Pages, 2000/01
本資料では、ニアフィールド母岩や緩衝材中の酸化還元状態を評価する上で重要と考えられる地球化学反応について文献調査をもとに整理した。以下に調査の結果をまとめる。・酸化還元反応に寄与する物質としては、岩石中に含まれる二価鉄を含む鉱物や有機物が重要である。特に、黄鉄鉱は、溶存酸素との反応が比較的速いため、処分場閉鎖後初期の段階では、酸素は黄鉄鉱により消費されると考えられる。・還元性物質による還元能力は、室内での岩石(鉱物)-水反応をもとに、定量的な評価が可能である。なお、二価鉄の含有量が多く、空隙率の大きいほど、岩石の有する還元能が大きいことが期待されている。・還元性物質による溶存酸素の消費速度についても、二価鉄を含む主要な鉱物について、実験的に求められている。また、溶液中に溶解した二価鉄イオンと溶存酸素との反応に関する速度式や速度定数も求められている。 従って、これらの既存の文献でまとめられているデータを用いることにより、坑道掘削に伴い変化するニアフィールド母岩や緩衝材中の地球化学的状態を速度論的に検討することが可能であると考えられる。
吉田 隆史; 石原 義尚; 石黒 勝彦; 仲島 邦彦*; 大井 貴夫
JNC TN8400 99-087, 41 Pages, 1999/11
地層処分システムの性能評価において、人工バリア中の核種移行に影響を及ぼす現象として、オーバーパックの腐食膨張および緩衝材の流出が挙げられている。このため、この二つの現象によって影響を受ける緩衝材パラメータ(緩衝材厚さ、空隙率、拡散係数)を変化させて人工バリア中核種移行の感度解析を行い、人工バリアから周辺岩盤への核種移行率の変動について調べた。オーバーパックの腐食膨張と緩衝材の流出を考慮し、緩衝材厚さ、空隙率、拡散係数を変化させて解析を行った結果から、この二つの現象は半減期が1万年未満の核種の移行率に対して大きな影響を及ぼすことが分かり、オーバーパックの腐食膨張はこれらの核種の最大移行率を減少させ、緩衝材の流出は逆に最大移行率を増加させることが示された。しかしながら、半減期が10万年を超える核種(例えば、Cs-135やNp-237など)の移行率については、オーバーパックの腐食膨張および緩衝材の流出による緩衝材パラメータの変化が最大移行率に及ぼす影響はほとんどないことが示された。
田中 皓*
JNC TJ1400 99-042, 17 Pages, 1999/02
緩街材中の空隙構造に関しては,「均一空隙モデル」及び「有効空隙モデル」の2つのモデルが提案されている。緩衝材中の枝種の移行挙動を電気二重層理論に基づき検討するに当たっては,これらのモデルのいずれが適切なものであるのかを決定することが重要である。本研究では,クニピアFを対象として,表面電位の推定、庄密体の電顕観察を行い,その結果を基に計算された「均一空隙モデル」及び「有効空隙モデル」それぞれの実効拡散係数を実測値と比較して,これらのモデルの妥当性を検討した。また,クニゲルV一1を用いてCs及びNpの実効拡散係致を測定した。結果は次の通りである。(1)表面電位の推定 電位の測定を行い,表面電位の推定を行った。得られた値は,‐56.5mVである。(2)圧密体の電顕観察SEM観察及びSrCl/SUB2溶液を含浸させた圧密体中のSr分布のEPMA観察を行った。いずれの観察においても,「有効空隙モデル」を支持する結果は得られなかった。(3)「均一空隙モデル」及び「有効空隙モデル」の検討「均一空隙モデル」及び「有効空隙モデル」いずれからの実効拡散係数推定値も定量的には実測値との一致は得られなかった。しかしながら,充填密度依存性や拡散種の電荷依存性は定性的には「均一空隙モデル」での予測と一致した。それゆえ,空隙モデルとしては「均一空隙モデル」が適切ど考えられる。(4)Cs及びNpの実効拡散係数測定以下の植が得られた。Cs:3.910/SUP-10 m/SUP2/s(充填密度1.4g/cm/SUP3) 2.510/SUP-10 m/SUP2/s(充填密度1.8g/cm/SUP3) 3.210/SUP-11 m/SUP3/s(充填密度2.0g/cm/SUP3) Np:1.210/SUP-10 m/SUP2/s(充墳密度0.8g/cm/SUP3) 2.510/SUP-11 m/SUP2/s(充墳密度1.4g/cm/SUP3) 2.510/SUP-12 m/SUP2/s(充填密度1.8g/cm/SUP3)
田中 皓*
JNC TJ1400 99-041, 93 Pages, 1999/02
緩衝材中の空隙構造に関しては,「均一空隙モデル」及び「有効空隙モデル」の2つのモデルが提案されている。緩衝材中の核種の移行挙動を電気二重層理論に甚づき検討するに当たっては,これらのモデルのいずれが適切なものであるのかを決定することが重要である。本研究では,クニピアFを対象として,表面電位の推定,圧密体の電顕観察を行い,その結果を基に計算された「均一空隙モデル」及び「有効空隙モデル」それぞれの実効拡散係数を実測値と比較して,これらのモデルの妥当性を検討した。また,クニゲルV一1を用いてCs及びNpの実効拡散係致を測定した。結果は次の通りである。(1)表面電位の推定 電位の測定を行い,表面電位の推定を行った。得られた値は,‐56.5mVである。(2)圧密体の電顕観察SEM観察及びSrCl/SUB2溶液を含浸させた圧密体中のSr分布のEPMA観察を行った。いずれの観察においても,「有効空隙モデル」を支持する結果は得られなかった。(3)「均一空隙モデル」及び「有効空隙モデル」の検討「均一空隙モデル」及び「有効空隙モデル」いずれからの実効拡散係数推定値も定量的には実測値との一致は得られなかった。しかしながら,充填密度依存性や拡散種の電荷依存性は定性的には「均一空隙モデル」での予測と一致した。それゆえ,空隙モデルとしては「均一空隙モデル」が適切と考えられる。(4)Cs及びNpの実効拡散係数測定以下の植が得られた。Cs:3.910/SUP-10 m/SUP2/s(充填密度1.4g/cm/SUP3) 2.510/SUP-10 m/SUP2/s(充填密度1.8g/cm/SUP3) 3.210/SUP-11 m/SUP3/s(充填密度2.0g/cm/SUP3) Np:1.210/SUP-10 m/SUP2/s(充墳密度0.8g/cm/SUP3) 2.510/SUP-11 m/SUP2/s(充墳密度1.4g/cm/SUP3) 2.510/SUP-12 m/SUP2/s(充填密度1.8g/cm/SUP3)
山口 徹治; 磯部 博志; 中山 真一
放射性廃棄物研究, 3(2), p.99 - 108, 1997/00
茨城県稲田産花崗岩及びカナダマニトバ州にあるカナダ原子力公社(AECL)の地下実験施設(URL)から採取した花崗岩(URL花崗岩)の中の微小空隙の性状を水飽和法及び水銀圧入法で測定した。測定上の工夫をすることにより、空隙率が極めて小さい岩石についても空隙率や空隙孔径を精度よく測定することができた。これらの花崗岩の空隙孔径はほぼ対数正規分布をとることが確認された。稲田花崗岩の空隙率は(0.490.07)%であり、空隙の直径の最頻値は140nmであった。SEM観察により大きさが数十~数百nmの空隙の存在が確認された。URL花崗岩については空隙率が(0.400.10)%、空隙の直径の最頻値は290nmであった。孔径が拡散するイオンに比べて充分大きいことや正規分布をとることは、岩石内における拡散現象に通常の拡散方程式を適用するための前提条件であるが、これらの花崗岩はそれをほぼ満たしていることが確認された。
菊池 輝男; 岩本 多實
JAERI-M 5937, 30 Pages, 1974/12
原子炉用黒鉛材、高純度黒鉛材および一般加工用黒鉛材について、ガス透過率、空隙率および比表面積を測定し、後二者が前一者におよぼす影響を、電子顕微鏡による組織観察とあわせて調べた。黒鉛材中のガス透過率は、フィラー粒子の小さい黒鉛材中では粘性流支配であり、フィラー粒子の大きい黒鉛材中では分子流支配であることがわかった。組織観察の結果、前者の組織中の空隙を連結する細孔径は大きく、後者のそれは小さく、細孔組織とガスの流れには相関があることがわかった。ガスの透過率と空隙率との相関はみられなかった。
福田 健二; 尾崎 裕介; 村上 裕晃; 板井 佳織*; 石橋 正祐紀; 笹尾 英嗣
no journal, ,
結晶質岩中のマトリクス拡散は、割れ目中を流動している溶存物質の移動の遅延効果として働く。そのため、マトリクス拡散現象の速さ(実効拡散係数: De)の把握は、岩盤中の物質移動を評価する上で重要である。本研究では、結晶質岩を対象にDe, 空隙率, 比抵抗を測定し、Deを簡易に測定する手法について検討した。比抵抗から算出したフォーメーションファクターと透過拡散試験から算出したDeの間にはばらつきはあるが正の相関が見受けられ、細孔拡散モデルで説明できる可能性がある。したがって、結晶質岩の比抵抗測定から実効拡散係数が推定できる可能性がある。